お祭りには提灯が欠かせない

前項でもすでに触れていますが、日本のお祭りには提灯が欠かせません。「提灯」でイメージするキーワードをアンケートしたら、 間違いなく「祭り」は上位にランクインします。露店が並ぶ道路を提灯で飾り付けたり、盆踊りの櫓から放射線状に提灯を飾り付けたり、様々に用いられます。

さて、地域のお祭りや商店街のお祭りなどでよく見かける提灯が、赤と白、もしくは青と白の縦縞模様の小ぶりサイズの提灯ではないでしょうか。 基本的に提灯は和紙を使って作られますが、最近のお祭り装飾用提灯はプラスチック製が多いです。 ポリエチレン樹脂を素材とした提灯はとても丈夫で耐水性にも優れています。お祭り期間中に雨や雪が降っても大丈夫。 さらに値段も安価で仕入れられるので非常にコストパフォーマンスが高いです。もちろん折りたためばコンパクトになるので、保管にもかさばらず困りません。 何年も繰り返し利用できます。

歴史深く、由緒あるお祭りには、もちろん伝統的な製法で作られた立派な提灯が用いられます。 和紙と竹を使って職人が一つ一つ心を込めて作り、神様へ奉納した提灯です。 それらの提灯はどこか厳かな雰囲気を醸し出していて、見ているだけで心が洗われるような気持になります。 ただし、どの分野でもそうですが、提灯を作る職人は年々減ってきているのが現状です。 お祭りに欠かせない提灯を作る技術を絶やさないように、後継者の育成が必要とされています。

またお祭りではなくても、イベントを盛り上げる為のアイテムとしても提灯は利用されます。 今取り上げたプラスチック製の提灯は、表面にイラストや文字を簡単に印刷できるので、そのイベントごとにイラストや会社のロゴマークなどを印刷して使えます。 面白いアイディアだな、と思ったのは結婚式で提灯を演出に使っていたことです。 一昔前は結婚式と言えば教会式でウェディングドレス、というのが女性の人気を集めていましたが、 最近は和風スタイル、いわゆる「和婚」と呼ばれる結婚式が人気で増えています。神社で式を挙げ、和モダンなレストランで披露宴といった流れです。 その際に、提灯に二人の名前を印刷して飾られていたり、両家の家紋をあしらった提灯がエントランスに掲げられていたりしました。 古民家風の建物に提灯が良く似合っていて、とても雰囲気が良かったです。